日本における大麻規制の歴史
日本における大麻規制の歴史
日本では縄文時代(約1万2000年前)から大麻が利用され、福井県鳥浜貝塚遺跡で大麻製の縄が発見されており
戦前までは繊維、食用、建材、医薬品として広く活用されていました。
戦前の日本には大麻を禁止する法律は存在せず、農家は自由に栽培していました。太平洋戦争中は軍需物資として重要視され、1942年に原麻生産協会が設立されました。
1945年8月14日、日本政府はポツダム宣言を受諾し、翌15日に終戦を迎えました。これによりGHQ/SCAPの占領下に置かれることになりました。

外務省:降伏文書
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000097065.pdf
同年9月、「『ポツダム』宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件」が公布され、GHQ指令を実施する法的基盤が整備されました。

外務省:指令第一号(附:一般命令第一号)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000097066.pdf
1945年10月12日、GHQは「日本における麻薬製品及び記録の管理に関する件」という指令を発出し、「マリファナ(カンナビス・サティバ・エル)」を麻薬として定義しました。
この指令を受けて厚生省は同年11月24日、麻薬原料植物の栽培等を禁止する厚生省令を交付しました。
当初、日本側では「マリファナ」と農作物としての大麻は別物との認識があり、1946年も従来通りの栽培が行われていました。
・1946年
京都府でGHQ京都軍政部により大麻栽培が発見され、農家2名を含む4名が検挙されました。京都大学の鑑定書による説明も受け入れられませんでした。
・1947年
国を挙げての再三にわたる折衝の結果、GHQ(連合軍総司令官)より「繊維の採取を目的とする大麻の栽培に関する件」という覚書が出され、一定の制約条件の下、大麻栽培が許可されました。制約とは、栽培許可面積を全国で5000町歩とし、栽培許可県を青森、岩手、福島、栃木、群馬、新潟、長野、島根、広島、熊本、大分、宮崎県に限るというものです。
GHQからの要請により、1948年7月10日に「大麻取締法」が制定されました。大麻草の取扱いは学術研究及び繊維・種子採取に限定され、免許制が導入されました。
免許を有する者以外の大麻取扱いが禁止され、日本の伝統的な大麻利用に大きな変化がもたらされました。
「犯罪白書」とは、法務省が毎年発行している日本の犯罪情勢や刑事政策に関する公式報告書です。1960年から継続して発行されており、犯罪統計、法制度の変遷、刑事司法制度の運用状況などを詳細に記録・分析した政府の公式文書です。この白書は国会に提出され、一般にも公開されています。
犯罪白書によると、戦後の日本では連合国軍総司令部(GHQ)の指令を実施するための国内法として、昭和20年9月に「『ポツダム』宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件」が制定されました。
大麻取締法は、国際的な麻薬規制の流れの中で制定されたものであり、1961年の「麻薬に関する単一条約」へとつながる国際的な規制体系の一部として位置づけられています。
犯罪白書では、大麻取締法が日本の薬物規制法制の重要な一翼を担い、現在も薬物犯罪の取締りにおいて重要な役割を果たしていることが記されています。
同白書では、大麻に関する犯罪の動向、検挙者数の推移、年齢層別の傾向などの統計データも提供されており、政策立案の基礎資料として活用されています。
戦前から戦後にかけての大麻政策の変遷は、敗戦による占領という特殊な状況下で行われた政策転換でした。この変化は、国際的な麻薬規制の枠組みと占領政策の両方の影響を受けたものと考えられます。
1万年にわたる日本の大麻利用の伝統は、戦後の法制度により大きく制限されることとなりました。これは日本社会における文化的実践や産業構造に長期的な影響を与えました。
戦後に制定された大麻取締法は、その後の改正を経て現在まで継承されており、日本の薬物規制政策の基盤となっています。
1. 法務省犯罪白書 - 「第1節 大麻取締法」
https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/67/nfm/n67_2_7_3_1_0.html
2. 外務省外交史料館 - 戦後70年企画「降伏文書」「指令第一号」原本
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ms/da/page22_002192.html
3. 東洋経済オンライン - 日本人が知らない「大麻」が違法薬物になった理由
https://toyokeizai.net/articles/-/430218
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